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生育診断についてNO.2

  • 2012/04/09(月) 17:21:42

しげじいは、あるとき喉の奥から出血して病院に行ったところ、
先生から「まず血液検査を受けてきてください。」といわれた。

いまどきの人は病院に受診したら、何より先に臨床検査を受けます。
尿検査や血液検査、看護師さんの問診、レントゲン撮影、そして先生の診察。

人の健康状態を診るのにこれだけのことがなされるのです。
それにこれらの結果の出るのが早いこと。

おかげで自分の健康状態・身体の悪いとこの状況が判るのらしいのです。

病院に行ってこのような指示を受けて、はたと思った。

俺ら野菜の生産指導をしているのに、
圃場に行って作物を見るだけの診断で作物の生育診断をし、
管理技術のアドバイスをしてきていた。

しかしこれは結果が出てしまってからの判断で、
場合によっては手遅れとなることが多かったような気がする。

手遅れになる前に手が打てないものかと考えるのは当たり前の状況が野菜生産のなかには多々あると思えた。

そこで考えた・・・

どんな方法で診断しようか?
①野菜にとって人の血液に相当するものは?
②調べる項目は?
③調べる道具は?
④調べる方法は?
⑤出てきた数値の判断は?
⑥判断結果の生かし方は?

こういった項目を1つずつ自分なりに検討してきた。

①野菜で血液に相当するものとして、生育の旺盛な部位の葉を採取して、その葉柄と葉身に分けそれぞれを搾って体液を採取した。
場合や品目によっては根を掘ってきて体液を搾り出した。

生育診断の様子1


②調べる項目としていろんなものが頭を駆け巡ったが③の道具に結びつき、なおかつ即座に(最近は即座にとは言わないでリアルタイムとか言うらしい)ということ。
自分の懐具合と相談すると、おのずと調べる項目が絞られてきた。
ということで、作物体内のイオン濃度、硝酸イオン濃度(硝酸態チッソ濃度も)カリイオン濃度、糖度、PHの項目を調べている。

③調べる道具は、数値的にかなりアバウトかもと思いながらも、あくまでも生産の現場で即時に答えを出さないと作物の動きに対応できないと思い、簡易のEC計、硝酸イオン計、カリイオン計、PH計、糖度計を用いている。
もちろんこの時代なので国産・デジタル計である。
計測するときは野外の現場であるし、時間も変わるし、冬が中心のなかで温度変化も大きいことから計器の校正はまめに行っている。

生育診断機器


④調べる方法はいたって簡単で、圃場の平均的な株の活力の高い(十分光合成していそうな)葉を葉柄の付け根から採取し、葉身と葉柄に分けてそれぞれの絞り汁を採取し、それぞれの計器で計測している。
ただしイチゴは葉身を絞るとモロヘイヤみたいに粘り汁が取れないため葉柄のみで判断している。

生育診断の様子2


出てきた結果からの判断は・・・・
「乞うご期待」「期待してないって、がくっ!!」


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生育診断についてNO.1

  • 2012/03/02(金) 10:37:45

一年間さぼってました。忙しさにかまけてました。

春は堆肥の営業
夏は堆肥の圃場への散布
秋はきゅうりやナス・イチゴの定植が終わると、堆肥施用圃場での生育診断やそれに基づいての管理のアドバイス
意外と忙しかったのです。

言い訳はそれくらいにして本題にはいりましょう。

野菜生産の現場で野菜の生育をみていると、それは物理学と化学の組み合わせであることがよくわかる。
特に野菜の根からの「養分吸収」や、体内での「代謝」や「合成」で顕著であるような気がして、あらためて息子の高校のときの生物と物理と化学の教科書を探してみた。
しげじいは昔物理も化学も苦手だったのだ。
結局息子の教科書見当たらないので、本屋に高校生の参考書探しに行ってきた。

植物の根の表皮や表皮の変形した根毛は1個の細胞である。
その細胞が外部から水や養分を吸収するには、それなりのメカニズムと力が必要になる。
植物の細胞は全透性の細胞壁と半透性の細胞膜からできているが、
この半透性の膜の内側と外側で水や養分のやり取りが起こるのである。

皆さんは「浸透」という言葉を聞かれたことがあるでしょう。
この浸透によって養水分が細胞内にはいってくるのです。
根の外側にある土のなかには、水分やそれに溶け込んだ肥料分があります。
これを取り込むのに浸透という「物理学」の現象が起こるのです。

物を動かすには「力」が必要です。
この「浸透」のとき使われる力が「浸透圧」です。
ちなみに「圧」というのはAとBとの差のことです。
Aの高いところからBの低いところへ
濃いところから薄いところへ流れていくのです。

植物の浸透とは
土のなかの溶液濃度の低いところから
根の細胞の細胞液の濃度の高いところへの
養水分の流れ込みで
その濃度の差を「浸透圧」といいます。

植物とりわけ作物といわれるものは水が無くては生きていけないのは誰でもわかります。
作物はその体内で合成と分解をおこなっています。
この代謝こそが生命でしょう。

そのすべてに水が関わっています。
ということは体内に送り込む水の量をいかに多くするかが、収量増加の条件であり食味や形状の品質の向上の鍵と言えます。
もちろん水の吸収の向上は肥料養分の吸収量の増加にもつながるはずです。

「浸透圧」は根の細胞と土中の溶液濃度の差ですから、作物に水や肥料分を吸わせるには根の中の溶液濃度を高くするか、土中を低くすればいいのです。

もし土中の溶液濃度が高くなりすぎると、作物の細胞から土中へ水が逆流して、細胞内の水がなくなり原形質分離を起こして細胞は死滅してしまう。
これを「濃度障害」と言っています。

逆に土中に水が多くて溶液濃度が下がり過ぎると、細胞の水分吸収は過剰に行われ「膨圧」が高くなって「浸透圧」と同じ力になり吸水が止る。
そうすると根は活動を停止し死んでしまう。
これを「湿害」と言います。

そこでしげじいは大好きな作物のために、その根の吸水力を高め、維持していくために我々人間はどのような手助けをしたらいいのかを考えたくて、
作物の『健康診断』をすることを考えました。

その診断方法とは?・・・・じゃーん  次回につづく。


根の話NO.2

  • 2011/06/08(水) 16:28:35

生物学をよくよく見ていくと、それは 『物理学』 と 『化学』 の組み合わせであることがよくわかる。

そしてそれは生物の外部からの養分吸収や、体内での合成で顕著であるような気がして、あらためて息子の高校のときの生物と物理と化学の教科書を探してみた。

実はしげじいは昔物理も化学も苦手だったのだ。
息子の教科書見当たらないから、本屋に高校生の参考書探しに行ってきた。

植物の根の表皮や表皮の変形した根毛は1個の細胞である。
その細胞が外部から水や養分を吸収するには、それなりのメカニズムと力が必要になる。
植物の細胞は全透性の細胞壁と、半透性の細胞膜からできていることは周知のとおりである。
この半透性の膜の内側と外側で水や養分のやり取りが起こるのである。

皆さんは「浸透」という言葉を聞かれたことがあるでしょう。
この浸透によって養水分が細胞内にはいってくるのです。
根の外側にある土のなかには、水分やそれに溶け込んだ肥料分があり、これを取り込むのに浸透という「物理学」の現象が起こるのです。

物を動かすには「力」が必要ですが、この「浸透」のとき使われる力が「浸透圧」です。
ちなみに「圧」というのはAとBとの差のことです。
高いところから低いところへ・・・
濃いところから薄いところへ・・・
などがあります。

植物の浸透は、
土のなかの溶液濃度の低いところから
根の細胞の細胞液の濃度の高いところへの
養水分の流れ込みで、その濃度の差を「浸透圧」といいます。

わかりやすく現場の圃場で生じる現象で言えば、萎れたナスの苗に水をやるとしゃんとしてくるあの現象です。
このしゃんとなる現象には、以下の二つが作用しているのです。
1)与えた水が土中の根の周りに行き、それが浸透によって吸収された。
2)与えた水が葉にかかり葉の水孔を塞いで、蒸散抑制という葉からの水分の逃げを抑えたため、体内の細胞の水分が満たされた。
・・・「蒸散」についてはまた別の機会に話しましょう・・・

植物とりわけ作物といわれるものは、水が無くては生きていけないのは誰でもわかります。
作物はその体内で合成と分解をおこなっていますが、この代謝こそが生命でしょう。

そのすべてに水が関わっていますから、体内に送り込む水の量をいかに多くするかが収量増加の条件であり、食味や形状の品質向上の鍵と言えますよね。

もちろん水の吸収の向上は、肥料養分の吸収量の増加にもつながるはずですから。

それでは「浸透」によって吸収を促進するためにはどうすればいいか?

「浸透圧」は根の細胞と土中の溶液濃度の差ですから、
根の中を高く→土中を低くすればいいのです。

もし土中の溶液濃度が高くなりすぎると、水が逆流し細胞内の水が無くなり原形質分離が起こって、細胞は死滅してしまう。
これを「濃度障害」と言っています。

逆に土中に水が多くて溶液濃度が下がり過ぎると、細胞の水分吸収は過剰に行われ「膨圧」が高くなり「浸透圧」と同じ力になった結果吸水が止る。そうすると根は活動を停止し死んでしまう。
これを「湿害」と言います。

そこでしげじいは大好きな作物のためにその根の吸水力を高め、あるいは維持していくために我々人間はどのような手助けをしたらいいのかを考えたくて、作物の健康診断をすることを考えました。


根の話NO.1

  • 2011/04/18(月) 00:00:00

作物でいちばん大切なのは根だといわれます。

確かに根は作物が生きて育っていくのに必要な水や肥料を吸収するのですから最も大切です。
根の機能として地上部を支えるとか、肥料や水の吸収とか、吸収した水や肥料の通導とか、サツマイモのような養分の貯蔵とか言われます。

ゲーテの「植物変態論」では、植物の組織は
「根」「茎」「葉」
の三つに区分されています。

「根」は植物の中のどの部分を言うのでしょうかねぇ~
やっぱり土の中に隠れている部分でしょうねぇ~

農家を巡回しているとイチゴの苗をポットからはずして「真っ白いいい根が張ってるねぇ。」とか
圃場のマルチを剥ぐって「いい根が張ってるよ。」と言われますが、果たして白い紐や糸のように見えるのが本当の根なんでしょうか。

確かに地上部を支えるという根の役割から考えると太い根が四方八方、地下深く伸びているほうが有効でしょう。
それでは水や肥料の吸収はどうでしょうか。

中学のころの理科の時間、高校のときの生物の授業を思い出してください。
教科書に根の構造と言う題で根の断面図が書いてあったと思います。
その図は3段に分けてあって、一番下の段には先端に根冠という保護組織とその内側に根の生長点があり、真ん中の段には表皮細胞から飛び出した糸くずみたいな「根毛」というものが表してある。
一番上の段には中央部に木部と師部、その間に形成層があって内皮、皮層、表皮で包まれているという模式図。
皆さん思い出したでしょう?

根の内部構造
画像転載 『BotanyWeb 根の内部構造』より 

畑に人参を作っている方、春に人参の花の塔(蕾)が立ってきたころ引き抜いてみてください。
人参の真ん中あたりにいっぱい真っ白い細い根が張っているでしょう。
切ってみてください。
一番外側の皮の内側に白っぽくスポンジ状になった肉があって、その内側に硬くて食えない板のような層があるでしょう。
ここまでが表皮・皮層・内皮であって、その内側に木部・師部・形成層が肉となって存在する。
人参がないときは塔の立った大根でも同じように見ることができる。

老いて食べられなくなった人参も教材には役に立つのだから、老いた者を粗末にしてはいけないのだ!!。

根の一番大事な機能は養水分の吸収であることは誰でもわかるし、それが先ほどの根毛といわれる部分で行われていることもわかる。

人間の体でいえば小腸の内側ある柔毛と同じものである。
この根毛は表皮細胞の変形したものであり、表皮細胞として単一の細胞である。
すなはち元来表皮細胞で行っていた養水分の吸収を、より効率的に行うため表皮細胞の表面積を増やし、土壌中の隙間に入り込みやすくしたものである。

だから、果物や果菜類および結球野菜のように大量に養水分の必要な野菜や果樹ではこの根毛が発達し、ネギやタマネギ、アスパラガスといったユリ科のように大量の養水分を必要としない作物は根毛が発達しなかったり発生しない。

だから、作目や品種によって根の違いや差が出るわけだから、その特性に合わせた土作りや耕耘、畝作りが必要になってくる。


植物の話No.9

  • 2011/04/13(水) 17:40:00

作物ごと品種ごとで収穫するもの、すなはち可食部分として我々が利用する部分に違いがあることがわかっていただけたと思います。

これまで述べた作物以外でも作物を構成する組織、細胞のどれが肥大し食用として利用されるのかを知っておかなくては、栽培するときにも食するときでもその作物を大事にしたことにはならないのです。

人と同じように生き物にはその能力を最大限に生かしてもらいたいと望んでいると信じています。

それではこれからはその生かし方について、私の思うところの話をしていきましょう。

動物も植物もその身体を構成しているのは組織であり、組織を構成しているのは細胞です。
そして細胞はそのなかでいくつもの活動をしているのです。
とくに植物は動物のように方々を歩き回って養分の摂取をすることはできませんから、自給自足の生活を営んでいるのです。

細胞の中での活動のエネルギー源である糖は細胞の中の葉緑体で、光のエネルギーを使って炭酸ガスと水から合成します。
この葉緑体と光エネルギーはすごいのです。
普通では考えられない水の分解をするのです。
普通水はH⁺OH⁻ に分れるのでしょうが、
光合成の場合は 2H⁺O⁻ に分れ
CO² からの CO₂ と化合して
C₆H₁₂O₆O₂ が合成されるのです。
そしてこの糖を素に甘いショ糖や我々のお腹を満たすデンプン、自らの身体を支え護るセルロースを作っていくのです。

それだけではありません。細胞の大基であるアミノ酸・タンパク質の合成、その他あらゆる有機化合物を作り出すのです。
チッソやリン酸、カリ、イオウ、その他諸々の無機物を吸収して有機物を作り出すのです。

人をはじめとする動物はこれらの、植物が合成し生産してくれた有機化合物を餌として生きていけるのです。
餌だけではありません。薬も穏やかな環境も、大気中の酸素まで植物の世話になっているのです。

世話になっている植物のことをもっと理解し、何をどうしてやれば植物の活性が高まってくれるのか、作物を例にとって考えていきましょう。

以前、小学生1年生から6年生まで35人を相手に授業したときに、
「みんなが自然を大切にと言っているけど、自然って言ったとき何が頭に浮かぶ?」って質問したら、
みんな口を揃えて「植物」って答えました。

このときは心の底から嬉しく思いました。
ちゃんと自分たち人間にとって、地球にとって一番大切なものは植物だと思っていてくれたんですから。
植物好きのしげじぃにはたまらないことなのです。

動物のように動き回れないからこそ作り上げた植物の特性、数少ない細胞の種類だけどその働きのすごいこと。
覗けば覗くほど奥の深い植物。絶対好きになるですよ。
植物のことを知り、野菜や果物のことを理解すると、美味しい野菜や果物を低コスト・省力で作ることができ、本当に美味しく食べることができるのですよ。

それではこれまで述べてきた野菜や果物の品種ごとの違いがあること、そしてその違いの中身を頭に入れながら作物の作り方から食べ方までを考えていきましょう。



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